ビジネス英語で避けたほうがいい英語があれば教えてください

ネイティブスピーカーがよく使うけれど仕事では避けたい英語表現はあります

【wanna とgonna】

私のクライアントさんのうち別々の2名が全く同じ質問を同時期に寄せてくれました。何かのメディアでとりあげられていたのでしょうか?

I want to を I wanna ”アイワナ”
I’m going to を I’m gonna ”アムゴナ”

「というほうが音がつながってネイティブみたいでかっこいいですよね?」

お二人とも会社で責任ある立場の方です。
「いえいえ、普段のおしゃべりならありですけれど、職場で仕事の話をするときにI wanna や I’m gonna は使いません」

とお答えしました。
洋服も言葉づかいも年々カジュアルになってきているとはいえ、また、歌の歌詞ではひんぱんに出てくるとはいえ、仕事では使いません。

『品格のある英語は武器になる』(マヤ・バーダマン著)の中でも

wanna → would like to
gonna → going to

と言った表現は映画の会話には出てきても、ビジネスにはカジュアルすぎる との指摘があります(p.71)

ちなみにこのマヤさんのこのご著書はオフィスでの英語のFormality がとてもよくわかる、お勧めの本です。

またこの wanna, gonna については

「スタンフォードの『英語ができる自分』になる教室」(朝日出版社)

のスクリプトを私が実際に見ながら、音源を確認したところ、ケリー・マクゴニガル博士は全て

want to,
going to,

と発音しています。

【誰かの発言を引用するときの表現 ”like”】

そしてもう一つ。

I said that を I was like “発言内容”
He said that を He was like “発言内容”

という表現。
これはある英会話動画の中で「アメリカ人は頻繁に使うので、まねするとカッコいい」と取上げられていました。

この話し方は確かによく聞きます。でもオフィスの中ではありません。
とても学生らしい、かわいらしい(?)、ちょっと幼い話し方。

四ツ谷駅の近くでランチをしていたときに近所の上智大学の学生さんたちの会話が聞こえてきました。
その時はこの I was like, He was like の嵐でした(笑)

外資系企業で仕事をしていた時に一度だけオフィスの中で
I was like…. , He was like….

という話し方を聞いたことがあります。それはサマーインターンに海外から来た学生さんでした。間違いなく周りから浮いていました。
でも間もなく彼女はその話し方をやめました。きっと自分が浮いていることに気づいたのでしょうね。

ネイティブっぽく聞こえる表現でも、即まねをするのではなく、その場や自分の立場に相応しいものを選びたいものです。
そのためには自分にとって新しいい表現を使う前に、辞書を開いて例文を調べるひと手間を惜しまないようにしましょう。

【話の合間に差しはさむ “You know,” 】

ごくたまにですが、文章を話すごとに

“You know,” “You know” と口癖になっているのか、差しはさむ人がいます。
この You know, は語感で言うと「そうでしょ」「そうでしょ」と相手が既にこちらの意見や情報を知っているという前提で、同意を求め続ける表現です。

従ってロジカルに簡潔に話すことが尊重されるビジネスの場では避けたい表現のひとつです。
以前いた職場で、You know, を連発する人に対して、ネイティブスピーカーの上司が

I don’t know!
と言い返したのを見たことがあります。

もちろん怒ったわけではなく、冗談半分でいさめたような感じでした。

似たような表現ですが、

As you know, ご存知のように
As you might have known, 皆さん既にご存知かもしれませんが


といった表現は「相手はこの話を知らないだろう」と決めつけている印象を与えない、控えめな表現としてお勧めです。