【ビジネス英文メール】書き始めや挨拶はどうする? 初めての相手の時の書き方

現在、会議のオンライン化が7割程度(国内外含む)と言われています。
とはいえ、初めてのやりとりがいきなりオンラインということはなく、その会議の設定のためにメールでのやりとりがあります。相手先が海外ということもあるでしょう。

この記事は海外とのやり取りで、英文メールにまだ不慣れな方がのために、見落としがちな表現のポイントやマナーについて書きました。

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初めての英文ビジネスメールのごあいさつ

私がお届けしている英語ビジネスコミュニケーションのメニューのなかには、生徒さんのニーズに合わせた英文ビジネスメール学習のなかでこんな課題に取組みました。

  • 海外の支社から新しくプロジェクトに参加することになったメンバーに自己紹介をする
  • 自分はそのプロジェクトのプロジェクトリーダー
  • メールを受け取る相手の名まえをChrisとします。

まずは書き始め。

Dear Chris,
Welcome to our team!

Chrisさん、
私たちのチームへようこそ!

と歓迎を表します。

私たちのチームへようこそは

Welcome aboard!

もかっこいいですね。

次に

I’m Yuko, the project leader of ABC Project.
私はABCプロジェクトのリーダーのYukoです

と自分の名前を名乗ります。

ここで私だったら今のうちにしておきたいことがあります。

相手が男性か女性か確認しておく

Chris という名前。男性でしょうか、女性でしょうか?迷うところです。

ChrisはChristopher かもしれないしChristinaかもしれない。

この他にも、AdrianやRobinなど、男性・女性、両方の可能性のある名前がいくつかあります。
Adrianは映画『ロッキー』の女性パートナーのお名前としてもお馴染みですね。

このメールの相手は、最初のうちはプロジェクトの担当者レベル同士のやり取りかもしれませんが、いずれ外部の人や上層部の人をCC (写し)に入れた正式なメールを書くことが出てくるかもしれません。
であれば正式なメールを書くとき、名前に付ける敬称がMr. なのか、Ms. なのか、今のうちに確認しておいたほうがいいです。

というのも、性別が解らないのをそのままにして、後で必要になってから聞く。すると相手はどう思うでしょうか?

「えっ?今までわかってなかったの?」
「知りたいとも思ってなかったの?」
「私に関心を持ってくれてなかったの?」

と、心の距離を感じさせてしまい、スムーズなチーム運営に必要な、良い人間関係にひびが入ってしまうかもしれません。
もし自分が相手の立場になって想像してみたら悲しいことですよね。一緒に仕事をしているのにそんなことも知らなかったなんて。
だからこそ知り合った最初のころに聞いてしまいましょう。少しも失礼なことではありません。

具体的な聞き方としては

Before briefly introducing myself, can I ask if you are Mr. or Ms.?
簡単な自己紹介の前に伺っていいですか? あなたはMr.でしょうか。Ms.でしょうか。

かつてはMr.とMs.の他に女性既婚者に付けるMrs. がありました。今はほとんど使いません。
またアメリカ英語はMr. やMs.のあとにピリオド“. “を付けますが、イギリス英語は省略することが多いです。どちらも間違いではありません。
気になる場合はやり取りの相手に合わせてもいいですし、自分はアメリカとイギリスどちらの流儀に従うか統一してしまうと迷わなくて楽です。

結婚してるか、していないかは、ビジネスには関係のない個人的なことなので今では女性は未婚、既婚、離婚に関係なく

Ms. (発音はミズ

を使います。

性別は確認しておいたほうが良くても、もし

Are you Miss or Mrs. ?
独身ですか?結婚していますか?

と聞いたら場合によってはセクハラになる可能性があるかもしれませんので避けます。考え過ぎかな???

さて、先ほど引合いに出した

Chris

という名前も、男性か女性かわかりにくい一例ですが、最近とくに増えているアジア各国とのやりとり。
シンガポールの方なら英語名の方が多いので性別は比較的解りやすいです。
※Chris, Robinを除く

一方で中国、台湾、インドの方はわかりにくい。とくにインドの方。

普段から自分の周りにその国の人がたくさんいれば想像もつくでしょうけれど、必ずしもそうとは限らない。
そういうときにどうするか。

先ほどの

Can I ask if you are Mr. or Ms. ? の他に

Dear Smith, のように

Dear + Family name で通してしまうという手もあります。

また、フルネームが解っていれば

Dear Robin Smith,

のように

Dear + Full Name

日本人の感覚だと 呼び捨てにするようで失礼じゃない?と心配になりますが大丈夫です。

「今日は性別が解らないとき」知り合う早期の段階でやっておいた方がいい対処法についてお話しましたが、最後にもう一つ。英文メールに限らず性別に関してWeb会議でも起こりがちなことを追加して書きます。

上司=男性とは限らない

管理職や責任者は男性という思い込みに気を付けたいということです。

I would recommend you to check with your manager.
上司に確認することをお勧めします。
He could be of your help.
彼が力になってくれるかもしれません。

って、ちょっと待って下さい。上司がHeとは限りませんよ。そういう時は

He/She could be of your help.
彼または彼女が力になってくれるかもしれません。

と書くのが通例です。
日本で仕事をしていると諸外国に比べて女性の上司は少ないので反射的に

管理職(上司)= 男性

と思ってしまいがちです。
でも、海外との仕事をするのであれば気を付けたいことのひとつ。実際、フィリピンでは管理職の5割が女性です。
いろいろな環境で働く人が集まって仕事をする場合、その違いに配慮した言葉づかい、やりとりを心がけたいものです。

メールに時間をかけない上司がやっていたこと

ここで超多忙なかつての私の上司がやっていた、時間を掛けないメールの返信の仕方「ウラ技」を特別にお伝えします。

私の向かい側に座っている上司は返信しないといけないメールが私より多いはず。それなのに、短時間しかパソコンの前に座っていない。そしてそそくさと煙草を吸いに行ってしまう。
きっとなにか秘訣があるはず。と思って上司が出しているメールに目を凝らしてみると。

彼の配信メールのタイトルにはよく、こんなのが混ざっていました。

【Title Only】Pls send your approval by 11th
【要件のみ】11日までにご承認ください

本文は 書いてない。ブランクのまま。

こんな感じに、とっても手抜き(いや、効率的)。もちろん、こういったやり取りをした事で人によって解釈がばらばらになり、混乱が起きそうなときは使いませんが。

【要件のみ】や【Title Only】を使うことで挨拶も省けるし、最後のWarmest regards,も省けるし、メールを受け取った人もタイトルを見るだけで返信内容が分かるので、開封する手間が省けて便利です。その上司の方は今は引退して故郷に帰られて家業の薬局で薬剤師さんとして活躍されているそうです。きっとレジ打ちなんかも手を抜いて(いや、効率的に)さっさとこなしたら、そそくさとたばこを吸いに行かれてるんでしょうね。

この「省エネ」メールを書くときの注意点

この超省エネのメールの返信の仕方は、英文メールに慣れるまでは気を付けたいことがあります。

省エネメールはこちらも時間が節約できて、相手もすぐに内容をわかってくれますが、以下3つのことは必ずできている必要があります。

  • 相手が質問してきたことに答えている
  • こちらが伝えなければならないことが書いてある
  • カジュアルな言葉は使わない

手を抜く分、コアなことは確実に伝えましょう。そのためにも、辞書を引いたら仕事に使える単語なのかどうか確実にチェックしてください。
辞書によりますが、単語の後に [正式]と書いてあればビジネスに使えます。転送されて、だれに読まれても大丈夫。

一方で [俗] と書いてあったら俗語の略ですので友達同士やプライベートでしか使えません。メールは残るものですので常にフォーマルを心掛けたいものです。

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この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
HR Specialist
河野 木綿子(こうの ゆうこ)

ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業

テストの高得点者が話せるようになるお手伝いをしています。
25年間大手外資系企業の人事部に勤め、人材開発の専門家となる。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績を持つ。

【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 ※旧英連邦の英語4スキルテスト
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格

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