英語を話す機会が少ない人がスピーキング力を保つ方法(実体験レポート)

私が英語を話すようになった経緯

このブログ記事では日ごろ語ることのない、私自身のプライベートな体験談を皆さんと共有したいと思います。

私自身は26歳になる直前に「自立できる経済力を身に付けるには仕事が出来るだけの英語力が必要」とイギリス人ばかりの職場に転職しました。というのも、25歳のうちに今で言うバツイチになったからです。額面113,000円のお給料では食べていけません。
英語で仕事が出来るようになれば、自立してご飯を食べていける。と考えました。

英語学校の日本人スタッフ(総務担当)に応募して、25人の中から選ばれました。合格した理由は「自宅から当日の面接会場(英語学校)までどうやって来たか、交通手段の説明の仕方」を練習したのと、何を聞かれても”Yes, I can!”と答えたからだと思います。

その後、約3年間、毎日朝から晩までイギリス人の中で過ごし、土日は同僚の誰かの家で飲み会に参加したおかげで3年で話す・聞くは殆ど不自由がなくなりました。

まるで国内に居ながらにして海外に住んでいるような環境でした。でも正直、初めの3カ月はイギリス人の英語が全く聞き取れず、何度も言い直してもらって、分かったら今度は自分がそれを言えるようになるまで反復練習しました。お給料をもらいながら毎日が英語を話す、聴くの実践勉強でした。

3年を目前にしてアメリカの大手証券会社の人事部に転職して、その後は50代に入るまでずっと大手外資系で日々英語を使う仕事を海外とやり取りしながら担当しました。
40代後半では国内出張の合間に海外出張が詰まった生活をしていました。たまに電話を掛けて来る実家の家族は「今、日本?海外?」と聞くようになったほど飛び回っていました。

25年ぶりに日系企業に転職

ずっと英語を使う生活が続くかに思われましたが、そろそろ会社員を辞めて自分で仕事を始めようと思っていた50代に入ったばかりのころ、元の同僚から声を掛けられました。
その人が当時いた職場のメンタルヘルス改善プログラムを売る会社で「英語でプレゼンがデキる人が絶対必要。ウチに来て!」という誘いでした。

元の同僚から声を掛けられました。
その人が当時いた職場のメンタルヘルス改善プログラムを売る会社で「多数の外資系企業でプログラム導入が決まったが、調査結果を英語でプレゼン報告できる社員がいない。なんとしても来て欲しい。ウチに来て!」という誘いでした。

困っている人がいるのを放っておけない性格ですので、では2, 3年ということで入社しました。

新しい職場では社内は全員日本人。外資系企業顧客のメンタルヘルスの調査結果のレポートを書いて、客先の外国人役員や管理職層に向けてレポートの内容と改善策の提案を英語でするのが私の仕事です。大手老舗日本企業も担当しましたが、外資系顧客企業は全て私の担当となりました。

毎日日本語で暮らしながら年に10回の英語プレゼン それも外国人役員むけ

ここからが、このブログのメインテーマ「話す機会が少ない人がスピーキング力を保つ方法」す。

それまでほぼ毎日オンライン会議で日に2、3回世界各地と繋がってライブで英語を話していたのが「全く」なくなりました。
海外出張もなくなりました。

英語は話さないと口が動かなくなります。単語も咄嗟に出てこなくなります。私はシニアコンサルタントとして入社しました。
担当企業のうち、ある大手外資系製薬会社は15部門のうち、5部門の部門長が外国人でした。メンタルヘルスの調査は年に2回。そうなると年に10回の英語プレゼンをすることになります。さらに5回ずつは日程が詰まっています。

その企業のためだけに英語のプレゼンの練習をする時間は取れません。他の担当企業のレポートと日本語プレゼンも立て込んでいる中でのレポート書きとプレゼンの準備です。

そこで始めたのが毎日のオンライン英会話です。朝5時か6時の予約不要のグループレッスンが40分間。固定メンバーではないので、さまざまな国の方と同席します。

レッスンで心掛けていたのが、
指名されてなくても自分からどんどん話す、
結論ファーストで話す


他人の話に割り込まない、勝手に発言しないという、普段の礼儀正しい感覚をその場だけでも脱ぐようにしました。

この早朝レッスンをその会社を2年7ヶ月で退職するまで続けました。朝一番は正直言ってキツかったですが、英語プレゼンと質疑応答は必ずやってくるのと、自分しかできる人がいないために逃れられないということで続けられました。

26歳で英語だけの職場に飛び込んだ時も、25年後日系企業に転職後に英語を保つ必要に迫られた時も、自分で自分を追い込みました。自ら退路を絶って英語漬けを選んだわけです。この二つの時代を振り返って思うことは、大人になってからバイリンガルになった場合は英語のレベルを保持するためには努力が必要だということです。

英語のコミュニケーションを教えるようになってからの自主トレ

2014年の5月1日に「仕事の英語パーソナルトレーナー」として開業して丸9年が経ちました。そして今でも週に2度、25分間のオンライン英会話に参加しています。その理由は自分より英語レベルの高いネイティブの英語話者と話す機会を意識的に作ることで、英語の劣化を防ぐためです。自分の英語レベルを落としたら生徒さんに申し訳ないと思っています。恐らく、仕事を続ける限りは英語のストレッチは欠かせないと思います。

オンラインレッスン25分間の使い方
私が受講しているオンライン英会話は RareJob(レアジョブ)です。(オンライン以外の学習方法もやっていますが)

4,620円で月に8回のコースです。特にビジネス英語のコースではありません。
このコースで何をするかと言うとメインの目的は「英語のマナーを守りながらのロジカルなコミュニケーション力の保持」です。
相手に対して失礼にならないこと、相手にわかりやすいロジカルな話の展開、でも相手と心の距離を縮める思いやりのあるやり取りといった、ビジネスコミュニケーションに欠かせない要素を常に満たせる英語を話すことを心がけています。
また、意味が伝わるだけの英語では管理職として信用されず、時にはネイティブから見下されます。

まず、お気に入りの講師を6人登録しています。その日の学習目的、自分の気分で誰にするかを決めています。
元気いっぱいの日は Toughな講師。落ち込んでいるときは楽しい講師。

教材は Daily News Articles (会話力 中・上級者向け)を使いますが、必ずしもその日に投稿された記事とは限らず、
自分が興味のあるニュースを日付をさかのぼって使うことがあります。自分が興味を持つと、その日のインプット内容は高い確率で記憶に残ります。
選ぶことが多いのは個人的な興味で社会情勢に関するもの、心理学の研究結果、ビジネス界の動きです。この中から自分の生徒さんにも使っていただくことがあります。

1.スモールトーク
25分間のレッスン時間のうち、初めの5分程度はいわゆるスモールトークをしますが、馴染みの講師ばかりなのでお互いのUpdate(近況報告)で家族の話であることが多いです。
コロナの緊急事態措置が取られていた期間は、よくお互いの国の行動制限や、それを守りながらどう生活しているかの話題が多かったです。

2.単語の解説と例文の音読
次にその日に使う記事の Unlock Word Meanings 単語の解説と例文を音読します。

3.段落ごとのパラフレーズ
その後で「今日の記事を2,3段落ずつ音読してからパラフレーズさせてください。最後にこの記事全体のサマリーを話させてください」とリクエストします。これは事前のレッスンに対するリクエストにも書いてありますが、その場で口頭で説明することで考えなくても言えるレベルになりました。

4.全体のサマリー”What is this article all about?”を話す
1) この記事は〇〇について書いてあります。
2) だれが、何をして、こうなりました。
3) 私はそれに対して、こう思います。私なら、こうします。

この方法は実は100%自分で考えたものです。
なぜ思いついたかと言うと、日本語のビジネスミーティングで日ごろ普通にやっていることを英語でもできるようになる方法を考えたからです。誰かの発言や資料の内容をそのまま口にする人はいないですよね?自分の言葉で要約して話すはずです。他人の発言の要点がつかめれば、英語のミーティングでもただ出席しているだけの人にならずに済みます。

講師たちからも高評価で「日本人の英語を教えている人にも教えてあげた」と言われたことがあります。

他に使うことがある教材、アプリ

・BBC のニュースアプリ
1日に必ず数回観て「今世界で話題になっているニュース」をさらっと読みます。ときに音読。日本は海外から入ってくるニュースが少ないので、リアルな世界情勢を知るのにも便利です。

・NHK ラジオビジネス英語
ビジネス英語といってもそれほどフォーマリティの高くない「普段の会話のいまどきの言い回し」を知るためです。使えるように発話中心です。

【関連動画】英語を話す機会が少ない人のオンライン英会話活用法