英語の目標点を達成してからが本当の生きた英語学習

この記事はテストのスコアアップ、目標達成の後に英語力を使って活躍したい、成長し続けたいと思う方のために、英語学習を続ける目的別にその方法を提案しました。

外資系の多国籍企業では共通語が英語。常に新しい言葉も生まれるます。

何のために英語力を上げたいですか?

英語を学習している方は、趣味ですという方以外は学習目的があるかと思います。その学習目的とは市販の英語学習の本、アプリを検索すると大人向けの教材の場合、ざっくり2つに分けられるようです。テストのスコアアップが目的のものと、そのあとの英語の運用力を伸ばすためのものです。

実は学習目的のテストのスコアアップを達成した後、ほとんどの場合は英語の運用力を伸ばす必要がでてきます。中学校から試験のスコアアップのための学習から、それ以降、社会人になってからもスコアアップのための英語学習が続く様子をまとめました。

テストの目標点達成が目的の英語学習

入学試験、定期試験、社会人になってから

学校での授業と試験、高校・大学入試のあと、社会人になってからも、必要に迫られて試験勉強を続けることになります。そのほかにも以下のような動機で英語学習は続きます。

海外駐在になりたい

企業の海外駐在の選抜基準には当然、英語力があります。多くは筆記試験や面接の他にTOEICです。海外駐在になるとそれ以降は英語運用力=英語をどう使うかが必要になります。

海外留学をしたい

これはTOEFであれ、 IELTS であれ、基準スコアをクリアして、書類審査とインタビューで合格すれば海外留学の望みは叶います。インタビューは人本在住者の場合は電話またはZoomでしょう。私の時は20年以上前でしたので、仕事の後、帰宅してから自宅のリビングルームでロンドンからかかってくる電話を待ちました。大学院留学のための英語面接は15分間でした。

面接では今までの職歴、専門分野、留学を希望する理由背景を詳しく聞かれました。最後に「あなたは本当に日本人ですか?」という質問がありました。不思議に思ってなぜそんなことを聞くのか?尋ねたら、あなたは自分からよく話す。私の知っている日本人は英語が分かっていても自分から話さない。と言われて日本人は英語を自分から話さない傾向があるのかと驚きました。なぜなら仕事をするには自分から話すのが当たり前だと思っていたからです。

スコアが取れても「話す能力」が足りない場合、Conditional offer といって、コース開始前に語学研修を受けて修了したら入学してよいという条件が付きます。授業開始前に現地に赴き、授業を受けることになるので時間とお金がかかることは覚悟しておきましょう。

管理職になりたい

多くの企業が管理職の応募用件として設定するTOEICの基準スコアは800点以上です。TOEICの全受験者の平均点が600点前後であることを考えると高い水準ですね。英語のスコアをクリアしたうえで他の要件でも合格すれば管理職になれます。

外資系企業に転職したい

求人に応募して面接の機会を得るには2つの方法があります。
ひとつは職務経歴書に英語での実務経験を書くこと。もうひとつは英語での実務経験がない場合、TOEICの得点、英検の取得級が参考情報となります。

英語でやり取りができるかどうかは面接が英語面接だったり、その場で英語での発言を求められるので、ここでもスクリーニングに掛けられます。

仕事で英語が必要になった

最後になりましたが、私へのお問合せが最近一番多いのはこの「仕事で英語が必要になりました」です。
コロナ禍がきっかけとなって在宅勤務とWeb会議が浸透したおかげで、個人が独力で海外とのやり取りをする機会が増えました。
職場から複数人数で海外とのWeb会議のこともありますが、在宅勤務が定着した企業では個人がひとりで海外とやり取りをすることになります。特にグローバルに展開している日本企業ではこの動きが顕著です。

英語の実務力を育てる

英語学習の目標をいくつか挙げました。そのなかで学校の定期試験、入試、TOEICの点数の獲得以外は、目標達成の後に英語の運用力が問われるようになります。目標得点取得はゴールではなくてスタート地点です。

英語の実務力とは実際に仕事で使うということですが、こればかりは机に向かって短期間でと言うよりいうより、実務を通じて一つ一つ時間を掛けて経験を積むことになります。

少し厳しい表現になりますが、テストの勉強より時間もかかりますし、時には失敗も経験します。でもご安心ください。失敗したことは深く記憶に刻まれて成長の糧となります。また、たとえ失敗しても努力をやめず前進を続ける限り、失敗と言うものはないのです。あとで振り替えれば成功の種のひとつにしかなりません。

仕事以外で英語の実務力を伸ばす方法は楽しく続けられるもの

英語学習は習慣化と継続化がカギです。テストのスコアで目標達成した後、英語を使わないでいると確実に英語が口から出なくなります。英語力を維持するためには気軽に長期間続けられる学習方法があるといいですね。また、試験の問題に出てこない、日常的な話題にも対応が必要ですし、食事に行ったときなどは、おしゃべりができるのは楽しいですよ。

例えば洋楽が好きな人ならお気に入りのアーティストの歌をカラオケで唄う。ラジオの英語放送を家に居るときはBGMのように部屋で流す。

また、オンライン英会話ならお気に入りの先生を見つけて、ニュース記事についてディスカッションをする。スマホのアプリはゲーム感覚で楽しんで使うという方法もあります。また仕事中の気分転換にオンラインの英文ニュースをチェックするのはいかがでしょう。

毎日海外のニュースをオンラインでチェックしていると、国内で報じられているニュースだけよりも情報量が多く、日本以外の国の報道の仕方を知ることが出来ます。

話しは反れますが、2011年の東日本大震災で原発事故が起きたとき、アメリカ企業の中には日本への出張を制限したものもありました。でも日本では原子炉のメルトダウンが報じられたのは震災から何カ月も経ってからでした。

ニュースを読んで感情が動くと記憶に残り、英単語や言い回しが増えます。英語が出来ることの大きな利点の一つは世界のニュース、情報を直接手に入れることができることだと思います。

他にも私がお勧めする方法は以下の二つです。
・自分の趣味の英語雑誌を毎月購読する
・ラジオ、テレビ放送を聞く(AFN、NHK World)

この他に洋画を観るのも楽しいですが、映画は感情的な表現が多いので実際に使う前に仕事で使える単語、表現かを必ず調べましょう。

ビジネスパーソンとして大切な教養を身に付ける

実際に英語を使うようになると話を聞くだけでなく、こちらからも発信することが必要になります。当然、感情のやり取りも伴います。そのためには相手の文化に歩み寄る必要が出てきます。ざっくりとでも、歴史、宗教、文化について自分で学ぶ機会を作りましょう。自分の国、日本の歴史、宗教、文化についても学んで簡単でもいいので説明できるようにしたいものです。

英語力の目標を達成したあとで、まだまだやることがたくさんあるなんて。とうんざりされるかもしれませんが、辛い事ばかりではありません。私がここに挙げた歴史、宗教、文化は、徐々にでも学ぶと人間関係がより広く、深く、味わいのあるものになります。仕事を通して海外の人と心を割って話し、ときにかけがえのない友情も手にはいるかもしれません。

最近読んで、まだまだ勉強したいと思った本を2冊ご紹介します。いずれも海外の人たちとやり取りするのに欠かせない基本的なことをとりあげたものです。

『自由になるための技術 リベラルアーツ』山口周 講談社 2021
『ビジネスエリートの必須教養 世界の民族 超入門』山中俊之 ダイヤモンド社 2022

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この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
HR Specialist
河野 木綿子(こうの ゆうこ)

ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業

テストの高得点者が話せるようになるお手伝いをしています。
25年間大手外資系企業の人事部に勤め、人材開発の専門家となる。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績を持つ。

【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 ※旧英連邦の英語4スキルテスト
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格

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