和食について話せることは、今後ビジネスの話ができるのと同じくらい大切なことになるかもしれません。
というのも今、空前の和食ブーム。
和食は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。
東京オリンピックがコロナ禍で開催されたことで、世界中のジャーナリストが閉鎖されたレストランの代わりにコンビニ食を個室で楽しみました。
そして、その質のレベルの高さを世界に発信されたことで日本のコンビニは一気にその知名度を上げました。
来日する外国人は本場の寿司やラーメン以外にもコンビニの特定のメニュー、卵サンドイッチやメロンパンまで大人気のようですね。
ビジネスで海外からのゲストを歓迎するためにも、和食の会食の設定はお互いの距離を縮める絶好のチャンス。
そこでこの記事では、外国人ゲストに目の前の料理の調理法を説明するのに便利な表現を取り上げます。
和食に興味のある人の中には、これどういう料理?とがる人が少なくありません。そんなとき、調理法をシンプルな英語で伝えられるように調理法の表現を集めました。
「火を通して調理する」 cook [他動詞]
実は英語の料理の表現は一般的に日本語より大雑把です。例えば火を通すことは全てcookで意味が通じます。
cook pasta パスタを茹でる
cook rice 米を炊く
cook meals 食事を調理する
ただ、これだけだと炭で焼くのか蒸すのかゆでるのか、油で揚げるのかとい具体的なイメージが伝わりません。
そこでここからはcook以外の調理法の表現を細かくお伝えします。
「炭火で焼く」 charcoal grill [他動詞]
焼き鳥がまさにそうです。備長炭で焼くのをウリにしている焼鳥屋さんは少なくないですね。
そしてタレか塩、どちらの味付けがいいか?選べることが多いです。そんなとき味を付けるseason [他動詞]
「味を付ける」 season [他動詞]
「季節」名詞 と同じ発音です。カタカナ英語でシーズニングって言いうときのseason を他動詞で使います。
「焼き鳥は塩ですか?タレですか?」は
Which Yakitori would you like, seasoned with salt or sauce?
と好みを聞いてみましょう。
「高温で焼き色がつくように焼く chargrill [他動詞]
chargrillとは前出の炭火焼とはちがって、ガスや電熱で高熱で加熱調理することで焼き色を付けます。
たとえば炭火焼でなくても網目の焼き色がついたハンバーガーパテやステーキを見たことがある方もいらっしゃるでしょう。
それは焼き色がつく調理器具で高温で調理したからです。
日本の焼肉の説明
これは意外なことに、Korean Barbecue と言うと伝わります。
テーブル席の真ん中にグリルが埋め込んであるものと、テーブル上に七輪を置いて肉を焼く設定もありますが、いずれも英語圏の人に説明するなら
Korean Barbecue(韓国式焼肉)と言う言葉でイメージが伝わるようです。
油を使った調理法
油を使って調理するという動詞は基本的に”fry”ですが、揚げるとか、炒めるという違いは動詞を使い分けます。
日本式の「揚げ物」
今、人気急上昇中の「とんかつ」がまさにこれですね。深い油で調理するとんかつ、天ぷらや唐揚げの調理法を Deep fry と言います。
とんかつなら”Deep fried pork with Panko”でイメージが伝わります。
天ぷら(Tempura)はすでに英語になっていますが、もし「天ぷらってどんな料理?」と聞かれたら
Tempura is deep fried fish or vegetables with batter.
と説明するとイメージが伝わるでしょう。batterとは粉を溶いた揚げころものことで、発音もスペルも野球のバッターと同じです。
炒める stir fry [他動詞]
野菜炒のように浅い油でかき混ぜながら炒めるのは「かき混ぜる」という他動詞 stir を使ってStir-fry と言います。
野菜炒めは vegetable stir-fry[名詞]またはstir-fried vegetables[名詞]でイメージが伝わります。
ソテーする saute[他動詞]
フライパンで油をひいて、比較的短時間で焼くという表現の発音は サウテイに近くアクセントはアメリカ英語ではテイ、イギリス英語ではサウと前半にあります。
フランス語起源の言葉です。
Sauteは比較的薄いものを焼くイメージで、ステーキのように厚みのあるものをフライパンで焼くならpan-fry[他動詞]と言います。
しゃぶしゃぶを説明する
この調理法を伝えるには複数の文章で説明することになりそうです。日本語でもしゃぶしゃぶの説明は一言ではできません。
ひらひらと湯通しして、たれに付けて食べるというイメージを伝えます。
「沸騰しているスープに薄くスライスした牛肉を浸してひらひら動かして火を通す」
To cook Shabu-shabu, soak and flip the thinly sliced beef in the boiling soup.
英語だと浸すは soak[他動詞]
しゃぶしゃぶ、つまりヒラヒラさせるので flip[他動詞]を使って
スープはbroth出汁でもいいですね。
そのあと、牛肉をお好みのタレにつけて食べます。
Then, season the beef with your favorite dip-sauce before eat it.
むかしニューヨークから来たビジターが日本の美味しいビーフ料理が食べたいっていうので、名前わかる?と聞いたら
「シュバシュバ」と言ったので、後で同僚たちと大笑いしたことがあります。ごめんなさい。
鉄板焼きを説明する
鉄板焼きなど、ジュ―っと焼くsizzle [他動詞]を使います。
鉄板焼きは、シェフが肉やシーフードを私たちの目の前で大きな鉄板の上で、様々な料理のテクニックを見せながら料理してくれるエンターテインメント的な料理です。
Teppan-Yaki is entertaining dinner.
Chef cooks meat, seafood and vegetables on the large flat iron plate in front of us showing various cooking technique.
すき焼きを説明する
すき焼きの説明はひとつ気を付けたほうがよさそうなことがあります。
すき焼きと言う名前には「焼く」という言葉が付いていますが調理法は鍋の一種だということです。
すき焼きの起源は農機具の「すき」に肉を焼いたことから来るなど、諸説あります。
でも現代では浅い鉄なべに割り下を入れて、肉と野菜を調理した鍋の一種と言ったほうがイメージが近そうです。
さらに、欧米の料理と大きく違うのが味付けが甘いしょうゆベースだということでしょうか。
メイン料理に甘めの味付けがあるのは日本をはじめとしてアジア、東南アジアの特徴です。
そこでその説明は
甘いしょうゆベースの鍋料理の一種です。
It’s a kind of Japanese hot pot of sweet soy sauce base.
スライスした牛肉と、焼豆腐、しらたきヌードル、日本のキノコ、日本の野菜が入ります。
Sukiyaki consists of sliced beef, broiled Tofu, Shirataki-Noodles, Japanese mushrooms, and Japanese vegetables.
材料はスライスした牛肉のほかに焼き豆腐(broiled Tofu), しらたき、シイタケやえのきだけと言ったマッシュルーム、春菊やネギと言った野菜を入れますね。
もし、シラタキって何?を説明することになったら
「シラタキは一種の芋から作ったヌードル」
Shirataki is noodle made from a kind of potato.
そして、ここからはチャレンジなのですが、火が通った材料を溶いた生卵に付けて食べるとベストだとお勧めしてみましょう。
日本の卵は衛生的で生で食べられるという情報を添えて。
日本の鶏卵は今では東南アジアに輸出されていて「たまごかけご飯」TKGは人気だそうです。
出来上がった食材を溶いた生卵につけて食べるのがお勧めです。
I would recommend to dip the cooked ingredients into the beaten raw egg.
日本の卵は生で食べても安全です。
Japanese eggs are totally safe to eat raw.
今ではアジア諸国に輸出されていて卵かけご飯はよく知られていて人気があります。
They are exported to Asian countries and raw egg rice is well-known and popular now.
おわりに
外国人に人気のある和食メニューの特徴や調理方法を簡単にまとめてみました。お楽しみいただけましたか?
料理の説明は調理方法を表す「他動詞」がカギになります。
そういった単語を増やすにはネット上の料理番組を見ると、作り方の説明を見たり聞いたりするだけで収穫があります。
特に画像を見ながら覚えると忘れにくく、使えるようになりますのでお勧めです。
【このトピックの関連動画】
外国人とのディナー、和食の料理法を英語で説明できる?
外国人に和食を説明するシリーズ2: すき焼き!つくり方から食べ方まで
「英語で和食メニューをどんな料理か説明することはビジネス英語の一分野になる」はこちらの動画でもご覧になれます。
この記事を書いた人
仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業
スピーキング初心者歓迎です。
TOEICテストでおおむね600点代~800点代で英語が話せない人が、初めて英語で仕事ができるようになるお手伝いをしています。
ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが英語でも日本語の時と同じように活躍できるようになって欲しいです。
25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 ※旧英連邦の英語4スキルテスト
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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