外国人上司へのメールに締切りを書かないと返事が来ない

上司へのお願いは締切りを遠慮せず書いたほうが引き受けてもらえる

この記事は海外の上司に丁寧なお願いのメールを出しても、返事がもらえず仕事が先に進められなくて困ることが多い方のためのものです。

最近聞いた深刻なお悩み

海外に直接レポートする担当者が増えています。IT技術の発達のお陰で在宅で仕事ができることに加えて
オンライン、オンタイムで海外と仕事ができるようになったからでしょう。

2022年春の時点で私の短期集中コースでビジネスコミュニケーションを学んでいる方はレポート先(上司)
またはお取引先が海外の方が以前と比べて増えました。

海外とのコミュニケーションはチャット、メール、Web会議での対面です。
そんな中でつい2週間前に生徒さんから寄せられたお悩みはというと

「偉い人にお願いをするときって、こちらからお願いしているのに『いつまで』って締切りを切るのは失礼ですよね?」
でした。

口頭でお願いするのはまだ英語力に自信がない。だからメールになる。
英語にも敬語があるので失礼にならない丁寧な言い回しで書く。押しつけがましくなく、お願をする。でも返事が来ない。

こういうお悩みは以前からあったのですが、それは海外とやり取りをする一部の方のものでした。
ところが今は違います。海外とやり取りする人が増えたうえ、周囲からのサポートがウケられにくい、自宅から発信するようになりました。

日本人の謙虚なお願いに返事が来ない理由

お願いの具体的な情報が足りない

単純な例を挙げると例えば請求書の発行。これは私が日本で日本語で経験したことですが、話がわかりやすいので取り上げます。

「請求書をお送り願います」という依頼を受けました。これを英語に置き換えて

“Please issue the invoice”
と書いてあるとしましょう。

受け取った私は悩みました。このご依頼ではわからないことだらけ。

 ・どんな方法で?(紙ベースで郵送・電子書類)

 ・記載内容はどこまで詳しく書くのか?

 ・どこへ?(郵送なら住所が必要)

 ・宛先は誰?部門名は?

この4つの質問をメールで文章にして問い合わせなければ私は次のアクションが取れません。
忙しい中で大変な手間に感じます。

でも先方はご自分で「何をどうしたらいいか」わかっています。自分にとってはあたりまえの手続きなので
4つの詳細上方を言って金銭。何も伝えてないのに、こちらがそれを理解している者と期待しています。

いつまでに欲しいと締切りを明記していない:締切りの書き方

忙しいビジネスパーソンほど効率的に仕事をする工夫をしています。その一つが仕事の優先順位付け。
緊急度と重要度で何から手を付けるか、何はまだやらなくて大丈夫か常に考えて仕事を効率よくこなしていまいす。

出社して(今なら自宅でパソコンを開いて)朝一番にメールのチェックです。
何か緊急で重要な案件が入っていれば予め心づもりしていた予定に割り込ませます。

そんなときに開いたメールがお願いメールで、締切りが書いていない。となると「対応してあげたい」と思っても
実際にいつやるかの優先順位を付けることができません。

その場合、「緊急でない」という理由で後回し。詳細まで読まずに「受信トレー」の中に放置されるでしょう。

これが日本人同士の日本語のやり取りなら、受取り手は親切に時間と手間を掛けて

「請求書はいかがいたしましょうか?
 経理の締め日はありますか?紙ベースの場合送り先はどちらになりますで
 しょうか?」

と「お願いされた側」が、わざわざ問い合わせをすることが多いです。

手続きの場合は空気を読んで推測で進めると、書式の記載事項や書類の発行のタイミングなど
大切なことで行き違いが生じて、やり直しということにもなりかねません。

失礼がないように丁寧に書いたはずのお願いメールに返事が来ないのは

1.具体的な情報が足りない 
2.締め切りを明記していない
 

のいずれであっても忙しい先方にとってはすぐに対応してあげたいけれど、わざわざ折返し問い合わせる時間が

無駄!迷惑!

と感じさせているかもしれません。
お願いメールには相手がアクションを取るのに必要な具体的な情報を充分に書くとともに、締切を明記しましょう。

まとめ

実は私も日ごろからお願い内容と締切が具体的でないメールやメッセンジャーにモヤモヤを感じています。

この人は足りない情報をひとつひとつおうかがいを立ててもらうのが当然だと思っているのかな?と勘ぐってしまいます。

と、同時に「自分は料簡が狭い、いじわるな人間なのかな?」と気になってもいました。私も日本人ですから。

ところが最近、海外でのビジネス経験が豊富なビジネスコミュニケーション講師の大先輩にこの話をしたところ

「私も日本語のやり取りなら日本人モードで親切に質問を返すけれど、英語のやり取りだと無視!」

ときっぱりとした反応が返ってきました。

もしこの記事を読んでいる方の中で「偉い人に失礼を避けて謙虚にお願い事をしても返事がこない」というお悩みがあるとすれば

  • 相手が折返し問合せをしなくていいくらい情報が入った具体的なお願いか?
  • 締切を明記してあるか?

という観点で自分のメールを確認してみてください。

もちろん締切りを明記する、または催促する場合でも「英語版の敬語表現」は必須です。
まちがってもASAP(as soon as possible)は避けたいですね。


最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)

上智大学新聞学科 1983年卒業
ロンドン大学 Goldsmiths College
心理学部 大学院  2000年卒業

東京都青梅市出身

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英語で仕事ができるようになるお手伝いをしています。

ひとりでも多くの日本人ビジネスパーソンが、英語でも日本語の時と同じように
活躍できるようになって欲しいと応援しています。

25年間大手外資系企業の人事部に勤めた人材開発の専門家。
日本にある外資系企業というユニークな職場で積んだ実務経験と、ロンドン大学大学院で学んだ
大人の学習理論、さらに25年間研究を継続中の異文化コミュ人ケーションのスキルを活かして、
日本第1号の仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業しました。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績があります。

【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.0 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格

河野木綿子ホームページのトップページはこちら

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『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』
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