この記事では初めて外資系に転職した管理職の方に向けて、試用期間を乗りこえて正式採用されるために
入社後3ヶ月以内に取ったほうがよい典型的な行動をお伝えします。
ほとんどの外資系企業では、中途採用者に対して3カ月から6カ月の試用期間(probation period)を設定しています。
その目的は、企業側が対象者がそのポジションにふさわしい行動力やパフォーマンスレベルを満たす人材かどうか、
判断するためのものです。そして残念ながら試用期間満了で退職を余儀なくされる方もいらっしゃいます。
お断り:業界によって、評価される行動には多少の差があります。ここに取り上げた内容は主に私自身が体験した数社の
大手外資系企業と、過去に人事の面でお手伝いした外資系企業、アメリカの大手日本商社で人事20年の職務経験が
ある方からの情報をまとめたものです。

即戦力としての中途採用者が置かれる状況
大手日本企業では今でこそ、中途採用者の数が増えましたが、少し前までは新卒採用に力を入れてきました。
それとは対照的に、外資系では以前から社会人マナーから教育を必要とする新卒新入社員より、即戦力としての中途採用が
採用活動のメインでした。
とはいえ、職務経験が豊富でも、知り合いのいない未知の組織で入社直後から以前の職場と同じレベルの成果を上げるのは至難の業です。
企業側でも中途採用者が少しでも早く組織に馴染むように、入社時オリエンテーションを設ける例が多数あります。
外資系大手ともなると毎月実施され、内容は会社概要、組織、ビジネスの方向性、事業部ごとの製品・サービスの紹介等です。
オリエンテーションを修了すると、採用部門での実務始動となります。その際、もしあなたが日本の大企業から始めて外資系企業に
転職してきたとすると戸惑うことが多いかもしれません。なぜなら上長による関連部署への紹介がある程度で、仕事の仕方、組織の慣例など、
手取り足取りの情報提供はなく、前任者からの引継ぎさえ不完全なことが少なくないからです。
そして情報の多くは自分から取りに行く、調べることが常識となっているからです。
マネージャー(管理職)が入社後3ヶ月でやったほうがよいこと
初めからずいぶん脅かすようなことを書いてしまいました。でもこれからお伝えする基本的なことを抑えれば心配には及びません。
どれも新しく入社してきたリーダーに対して外資系企業の多くが期待することが凝縮された行動だからです。
1. ネットワークづくり
まず初めに関連部署の同じくらいの職務レベルの人、自分の組織内のキーパーソンと個人的に話ができる関係を作っておくことを
お勧めします。なぜなら過去の実績を認められて入社したものの、同じ業界であってもお取引先、環境が異なります。
新しい環境で壁にぶち当たったときに相談したり、援助を頼める人が必要になることが多いからです。
また先方にとっても社外から入って来たあなたの持っている情報は刺激になりますし、ときに自分の仕事にとっても有用なことが
あり得ます。
具体的にはランチをご一緒したり、就業時間内に時間を設定して1対1である程度の自己開示をすることによって、いつでも話せる
関係を作ることです。仕事がデキる人であっても、新しい環境ではまだリソースの調達方法など、その組織についての知識が職務レベルの
高さに比較して足りません。それを補うためにも明文化された社内情報だけでなく、生身のネットワークから入って来る情報を得たり、
疑問に思っていることを聞いてみることで、視界が開けることがあるでしょう。
仕事がデキる管理職の中には、試用期間後も定期的に週に2度など頻度を決めて他部門のキーパーソンとランチをするなど
工夫されている方もいらっしゃいました。
また自分のチームに対しても One on Oneのミーテイングを入社早々に行い、自分から仕事上の価値観や差しさわりのない
個人的なことなど自己開示をすると心の距離が縮まり、やり取りがスムーズになる時期が早められることでしょう。
2. 就業規則に目を通す
なるべく早い時期に就業規則に目を通して、重要事項を把握しておきましょう。これは自分自身の仕事の仕方においても、
部下の管理業務においても有用です。なぜなら自分が過去にいた会社の制度がいつの間にか染みついていて、その思い込み
のために試用期間中に就業規則違反を冒してしまう。その結果、退場という最悪の事態を避けるためです。
私の経験したケースでは、日本の大企業出身の部門長が、以前いた会社の賞与・昇給の決まりを新しい職場の部下に誤って
適用してしまったことがあります。単純な思い込みによる確認漏れですが、対象となった部下にとってはかなりの不利益変更だったので
遡って訂正されました。
3. 3か月以内に目に見える成果を挙げる
管理職として中途入社した場合、配属先の部門の従業員には前評判が行き渡っていることが多いです。どこの会社から来たか、
仕事ができるか?語学は堪能か?もちろんプライベートなことは伏せられていますが、学歴や今までの業績について噂が広まっていると
思っていいでしょう。そして周りの目は、言い方は悪いですが「お手並み拝見」的な好奇心に満ちています。
そうなると、上司からの指示を待つことなく、リーダーシップを発揮して部門を超えて働きかけ、成果を揚げるという、管理職に
求められる行動を見せることは効き目があります。
例えば、以下は人材開発、組織開発に関わって来た私の例です。手前味噌ですがうまく行った例なのでご紹介させてください。
M&Aで企業全体が新しい組織に組込まれることを控えている時期でしたので、各事業部長にお願いして社内60人のキーパーソンを
ノミネートしていただき、あるテーマについて1対1の面談をしました。聞き取り内容は匿名で資料にして、直近で新しい教育体系を
作るベースとして社長に提案するというものでした。
事前に目的と成果物を明文化して社長と直談判。予算と時間をいただいて実施したものです。
新規に採用された管理職の場合、誰もその人がどんな動きをするのか、何ができるのか知りません。そうなると実際に見ていただくことが
今後、周りの協力を得て仕事をするがめ煮も一番説得力があるのではないでしょうか。
まとめ
以上、おおまかではありますが、管理職の方に向けて、外資系企業でのスタート時にお取りいただきたい行動についてまとめました。
1.ネットワークづくりをする
2.就業規則に目を通す
3.3か月以内に目に見える成果を挙げる
今後日本企業から外資系企業への転職、M&Aなどによる日本企業の外資系化は増えることでしょう。
もしそのような機会がありましたら入社後にやるべき3つのことを思いだして参考にしていただければと
思います。
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この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
上智大学新聞学科 1983年卒業
ロンドン大学 Goldsmiths College
心理学部 大学院 2000年卒業
*専門は「異文化コミュニケーション」
東京都青梅市出身
日本第1号の仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業。
管理職を中心に90人の英語デビューと、グローバル企業向け異文化コミュニケーション研修10社で
ビジネスパーソンの英語力をサポート。
文化の違う相手と仕事をして成果を上げる英語のスキルを追求します。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.0 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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【著書】
『仕事の英語 いますぐ話すためのアクション123』
『読むだけでTOEIC®テストのスコアが200点上がる本』
【Udemyビジネス】
講師として5本のビデオ教材を上市。これまでの受講生は延べ14,000人、多くのリピーターを持つ
アクセス:〒160-0022 新宿区新宿5-18-20 ルックハイツ新宿803

