ビジネス英文メールで失礼にならず返信がもらえる書き方を教えてください

失礼にならず必ず読んでもらえて返信がもらえるポイントを5つご紹介します

Work from home

英文メールには日本語のメールと違う点がいくつもあります。
更にそのポイントを押さえないと多忙な方には読んでもらえず、その結果、
返信してもらえないということが起こりえます。

この記事ではあなたが出す重要な質問や依頼のメールを読んでもらえて、
返信がもらえるための大切な5つのポイントについて解説します。

なお、この記事は6分間のYouTube動画でもとりあげていますので
このページ最下部のリンクからご覧ください。

書出しの相手の名前の呼びかけかたの英語のルールに従う

相手への呼びかけ方がまずいとあなたの印象は決定的に悪くなります。
その結果、ムッとした相手はメールを読まなかったり、お願いを無視・却下するかもしれません。
またあなたも非常識な人と思われてしまいます。

ここで相手の名前に何をつけて呼ぶのがいいのか呼び方のルールを確認しましょう。

相手が日本人とのやり取りに慣れている外国人

おたがいに名前の後に日本語のSAN付けでやり取りをする場合があります。
これは社内の慣例として定着している場合ですが、日本組織のある多国籍企業では頻繁に見られます。
メールの受け手の外国人もそれに慣れているので

Dear Morrison-san,
I am Yuko Kono, the coordinator of the upcoming seminar in Beijing.


のように 書出し相手の名前に san 付けを使います。

英語で呼びかけるときの基本的ルールと例外

まだおたがいによく知らない、初めてのメールなら

男性にはMr.の後にフルネーム
女性なら Ms. の後にフルネーム


をつけるのが基本です。

昔は既婚女性の場合Mrs.の後にファミリーネームを付けましたが
今は独身、既婚を問わずMs.となりました。
結婚しているかどうかは仕事と関係ないという考え方が広がったからです。

そして例外があります。
博士号PhDを持っていたり、お医者様Medical Doctorに対しては、必ずDr. だれだれ
メールに書きますし、口頭で話すときも同様です。


親しくなって本人からファーストネームで呼んでと言われれば
口頭でのやり取りはファーストネームになることがあります。


でも、メールや他の形の文章の場合は親しくても Dr. を付けます。
アメリカでホワイトカラー職の人は学歴には敏感です。高い学歴は本人は誇りに思いますし
まわりからも尊重されるんですね。


相手が普通の人の場合、メールのやり取りの2回目以降は相手がファーストネームで呼びかけてくることが多く
その場合は相手に合わせてそれ以降ファーストネームで呼び捨てをして構いません。Hi, Yuko.です。

逆にずっとMr. とかMs. と呼んでいると相手はあなたのことを堅苦しい人だと感じたり
自分と仲良くなりたくないのかも?と誤解することがあります。

メール全体の文章は「結論ファースト」読んでもらえる順番で書く

英文ビジネスメールでは書出しの

Dear Mr. Stevens,

の後、すぐに具体的な要件に入ります。要件とは「このメールを読んだ結果、取ってほしい行動」のことです。
おおよそ最初の3行であなたが何を言いたいのかが伝わらないと、読み手は読むのを諦めることもあります。

特にエグゼクティブは1日に何百と言うメールを受け取るので、最初だけ流し読みして大切だと思ったものだけ詳細を読みます。
それ以外は削除されることが多いです。

ときにアシスタントや秘書の方が前もって目を通し、上司が必要だと思うものだけ残すこともあります。

日本人は礼儀正しい人が多く、お願いごとや要件を書く前に背景の説明を延々と書いてしまうことがよくあります。
その結果、結論ファーストに慣れている英語圏の人は「いったい何が言いたいの?」とイライラしがちで
最悪そこから先を読むのをやめてしまいます。
そうなるとあなたが伝えたい大切なお願いや要件を読むことなくメールを削除、あなたには返信が来ません。

これは相手に悪意があるのではなく、単純に伝え方の順番に見られる文化の違いです。
この異文化の壁を乗り越えるには以下の2点を心がけます。

初めの3行で「相手にこうしてほしい」を伝える
✅ お願い事なら5H1H(時に2H)特に「締切り」を明記する

<Important!>
とくに「締切り」は相手がたくさんある仕事の中での優先順位を決めるために重要なので
こちらからのお願い事であっても遠慮せずに必ず明記します。その際、時差があれば
どちらの何月何日何時かも明記します。

日本人はとかく「こちらからお願いするのに『いつまで』と書くのは図々しいのでは?」と
遠慮しがちですが、相手からすると忙しい中でひと手間かけて「いつまでに必要ですか?」と
聞き返してくれることは、まずありません。

また、一つの文章が長くなると読みにくくなるので、読み手の身になって文章はシンプルにします。
具体的には要件が複数の時は;

✅ 一つずつ箇条書きにする
✅ 番号付きリストにする

また、読みやすくするためにはひとつの文章の単語数を理想的には10語から20語までにします。

これはスマホでメールを読む機会が増えているため、相手が画面上の文字を読んで
一瞬で意味が伝わりやすいようにするためです。

メールに何が書いてあるか一瞬で伝わるタイトルをつける

英文メールの受信トレーを思い出していただくとわかると思いますが、画面を開くと
受信メールのタイトルがギッシリと並んでいることでしょう。

エグゼクティブは全てのメールを読むわけではありません。
たくさんのメールタイトルの中から「これは読んだほうがよさそうだ」と判断して物を選んで開きます。

ということは相手がぴんと来ない具体的否情報のないあいまいなタイトルをつけてしまうと、
開かれることもなく放置される、削除される可能性があります。
タイトルを読んで「何のことかな?」と考えるのは多忙な相手に時間的、精神的な負担を感じさせるからです。

海外にメールを出しても返事が来ない経験がある人は、自分が付けたメールのタイトルについて
そのようなことに心当たりはないでしょうか?

タイトルの付け方の具体例

ご存知の方も多いかと思いますが念のために読むだけでメールの内容が相手に伝わるタイトルの作り方をご紹介します。

1.メールで相手に伝えたいメインメッセージを1文で作る

「御社の新しいサブスクのサービスを知りたい」
I would like to know your new subscription service.

2.にそのメッセージの中から名詞句を抽出する

名詞句* your new subscription service を取り出します。

   *名詞句とは 並んでいる単語の間に S V の関係のない一連の単語の塊のこと

3.意味に影響のない冠詞を除くとともに名詞・形容詞の一文字目を大文字にしてタイトルとしての体裁を整えます

Your New Subscription Service

このタイトルならパッと見ただけで新しいサブスクについての問合せだろうとわかります。
万全を期すならタイトルの頭に

【Inquiry】(問い合わせ)
のように文章の種類を追加すると、より相手に確実に内容が伝わります。

言葉遣いはフォーマル

ビジネス英文メールの言葉遣いは基本、丁寧な言葉遣いです。
ネイティブスピーカーで親しい同寮同士の場合はチャットのようなやり取りも見られますが基本はフォーマルな文体です。
その理由は文字だけのコミュニケーションの場合、読み手の気分によって攻撃的・否定的な内容に受け取られることがあるからです。

例えば落ち込んでいるときは、ただの指摘事項なのに、落ち込んでる人は自分が責められていると感じがちです。
ていねいで穏やかな言葉遣いであれば誤解される可能性は低くなります。
また、メールは転送されることがあります。一度手を離れてしまうと転送されて誰に読まれることになるかわかりません。

丁寧さのレベルは、例えば「その書類は3月1日までに出してください」のお願いの場合

<カジュアル>
その書類を3月1日までに出してほしい。
I want you to hand in the document by March 1st
.

は、読み手にプレッシャーを与えがちですが、

<フォーマル>
3月1日までのご提出をしていただけるととてもありがたい。
Your submission of the document by March 1st is highly appreciated.

であれば、穏やかで押しつけがましくないですね。

送信前に誤字脱字、文法間違いをチェックして防ぐ

5 つめは誤字脱字や文法ミスをなくすことです。
誤字脱字や文法ミスは、プロフェッショナルらしくないと評判を落とします。
また、この人はビジネスパートナーとして大丈夫なのか?と相手を不安にさせます。

誤字脱字、文法間違いを防ぐにはメールを送信する前に、スペルチェックや文法チェックのツールを使用して間違いを防ぐことです。
スペルや文法チェックはほんのひと手間ですので、かならず送信前に使う習慣をつけましょう。

まとめ

この記事でお伝えしたことを全て実施していただくとメールを読んでもらえて仕事が進みます。
そしてメールを読んだ人があなたのことをプロフェッショナルで信頼できる人だ感じるので、相手もあなたを大切にしてくれて、仕事のやり取りがスムーズに気持ちよく続けられるでしょう。

【関連記事】外国人上司に失礼のないように英語でお願いメールをしたいのですが、どうすれば良いですか?

【YouTube動画】ビジネス英文メールを書くときにこう書くと返事とOKがもらえます

この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)

上智大学新聞学科 1983年卒業
ロンドン大学 Goldsmiths College
心理学部 大学院  2000年卒業
東京都青梅市出身

日本第1号の仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業。

【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.0 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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