英語の自己紹介を場面設定によって使い分けて効果倍増:プロジェクトメンバー向けと顧客先プレゼンの自己紹介の違い

自己紹介というと普段どんな話をしていますか?
日本人同士だと会社や所属組織と自分の苗字しか言わない方が多いのではないでしょうか?
この記事ではビジネスパーソンが英語で自己紹介する際に、場面設定と目的別に、どんな情報を盛り込んだらいいかをまとめました。

巻末に動画解説付きです。

プロジェクトメンバー向けの自己紹介

プロジェクトメンバーといえば社内外を問わず、一定期間いっしょに仕事をする「仲間」です。
となると、その人たちとチームワークよく仕事をするためには、他のメンバーから仲間として受け入れられること。おたがいにスムーズなコミュニケーションを取れるようになることが後々とても大切になります。当然、自己紹介の中に、そのための要素を入れ込みます。

名前を覚えてもらい、仲間として受け入れられるための自己紹介

日本人同士の場合、これから御一緒するプロジェクトメンバーであっても
「皆さん、初めまして。私は河野と申します。どうぞよろしくお願いします」
とフォーマルかつ、シンプルで情報量の少ない紋切り型の挨拶になりがちです。

① わかりやすく名乗り、何と呼んで欲しいか伝える

英語で自己紹介する場合、これから一緒に仕事をする仲間であれば名前を名乗るときにファーストネーム、あるいはニックネームを言います。
名乗った後にすかさず「〇〇と呼んでください」と自分がみんなからどう呼んで欲しいか、希望を伝えます。
それは相手が気楽に声を掛けられるようにするための仕込みです。

Hi, I’m Yuko.
Please call me Yuko.

このとき、フルネームを名乗りたいと思うこともあるでしょう。
その場合は ファーストネームとファミリーネームの間を2テンポくらい空けるといいでしょう。

なぜなら日本人の名前は海外の人にはなじみが薄いので、私の名前 YUKOKONOをひとつながりで発話してしまうと
長いファーストネームまたはファミリーネームと受け取られるかもしれないとともに、覚えられない可能性があります。
そこで、

My name is Yuko ポンポン Kono.

くらいでちょうどよいのです。
そのあとで前出のように

Please call me Yuko.
または
Just call me Yuko.

と、どう呼んで欲しいか伝えます。 もしあなたの名前が外国人には発音しにくい、呼びにくい名前だと思ったら、英語版のニックネームを作ることをお勧めします。
例えば Takatoshi さんや Takeshi さんだったら Tak のように一音節で発音しやすいニックネームが良さそうです。

② 自分の仕事の担当やチームでの役割を伝える

これから仲間に入れてもらうには、自分が何のためにここにいるのかも伝えましょう。
例えば「私はこのチームで、プロジェクトにの打ち合わせのためにスケジュール調整、進捗管理をします」などです。

In this project, I’ll be arranging the meeting schedule, and let you know about it.
このプロジェクトでは打ち合わせのスケジュールを調整して、皆さんにお知らせします。


最初の自己紹介で自分の役割りを伝えれば、メンバーの中でのあなたの位置づけを周知することができ、その後メンバーに連絡を取る際もスムーズなやり取りができます。

③ プライベート情報を入れる

このプライベート情報をいれるというところが、日本語の自己紹介と大きく違うところでしょう。
日本だと「仕事にプライベートなことは持ち込まない」という組織風土のある会社もあります。

でも英語圏のビジネス文化では自己紹介の中に、フォーマルな式典でもない限りプライベートなことを盛り込むことが多いです。
自分の趣味や家族のことを話すことで、メンバーの中に共通点がある人がいれば、後々の休憩時間や食事の時に共通の話題で盛り上がって、
早い時期からチームワークが整いやすいという利点があります。それは仕事以外の共通点が見つかると心の距離が縮まるからです。


私の経験ですが、外資系企業で役員会候補者のかた向けのワークショップをした際に、出席者の皆さんに
「自己紹介にプライベートな情報を入れる」
という課題を出しました。

そのときある方がプライベートな情報として

「私は、時間が取れるときはマウンテンバイクを車に積んで郊外に乗りに行きます」

という話をしたところ、ほかにも同じ趣味の方がいて、休み時間に早速盛り上がっていました。
その二人は数年前から同じ組織で管理職として仕事をしていたのに、その自己紹介をするまでは、おたがいに共通点があることを全く知りませんでした。

趣味以外でも子供の話や、先週末家族で出かけた話など盛り込んでも、共通点がある人だけでなくそのお出かけ先に興味を持った人と話しが弾むことでしょう。

④ 前向きなメッセージで締めくくる

自分の名前をつたえ、プライベートなことについても話したことで、プロジェクトメンバーの間には和やかな雰囲気が醸し出されていることでしょう。
最後の一言はその締めくくりにふさわしく、これから始まるプロジェクトについて自分が積極的に取り組む、コミットしているという前向きなメッセージを伝えます。

I’m looking forward to working with you.
皆さんと一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。

I’m so excited to work on this project with you all.
プロジェクトで皆さん全員と仕事をすることにワクワクしています。

そして最後に

Thank you.

の一言を笑顔で伝えれば、あなたの仲間としての第一印象は完璧です。

顧客先での自己紹介

顧客先での自己紹介の難しさは、何といってもあなたのことを知らない人ばかりだという点です。
専門性の高さも、経験の深さも知りませんので、もしかすると相手にしてもらえないかもしれません。緊張感も高まります。

いわゆるアウェイの状況であっても、これからする商品やサービスの説明(場合によっては正式なプレゼンテーション)を
最後まで聞いてもらえる状況を作り出すのが自己紹介です。

顧客先での自己紹介の場合、商談だけであればシンプルに

打ち合わせに同席して顔合わせだけなら、笑顔で握手をしながら

Nice to meet you.
Yuko Kono.


と「初めまして」のあいさつの後でフルネームを名乗るだけで十分です。

I’m Yuko kono.
とフルセンテンスでなくても、失礼にはなりません。

英語圏の場合、本来は名刺交換は話が済んで、これから先もやり取りをすることになった場合にすることが多いです。
ただし、日本になじんでいる外国人の場合は、日本式のビジネスマナーを尊重して会ってすぐ名刺交換をすることが一般的です。
通常の商談や打ち合わせであればこのようにシンプルです。

プレゼンでの自己紹介は話を聞いてもらうための舞台を自分で作るようなもの

ただの面談や打ち合わせと異なるのが、顧客先で製品やサービスの紹介をするプレゼンテーションの初めにする自己紹介です。
これから伝えることに関係のある自分の専門性や経歴を話して、知らない人から

「この人の話なら聞いてもいい」
「この人の話なら信頼できそうだ」


と、好奇心を抱いてもらい、話を聞いてもらうための舞台装置を自分で作るのが自己紹介です。
たとえどんなに専門知識があっても、仕事が出来て人柄がよくても、言葉と態度で伝えないと伝わりません。察してくれることもありません。

そのために自ら自分の専門分野や肩書、社歴や業界歴を謙遜することなく客観的な事実として伝えます。

印象も大事です。
清潔感のある手入れの行き届いた外見で、笑顔で余裕を見せながら姿勢正しく、立っているなら一歩踏み出して爽やかに話します。

例えば、私なら:

私の名前は河野木綿子です。私は人事の専門家です。
My name is Yuko Kono. I’m a Human Resources specialist.

今、Specialist 専門家と書きましたが、英語で専門家と自ら名乗ってもけっして厚かましくなりません。
客観的な事実で、これからするプレゼンや仕事に対する信頼関係構築に有利に働きますので自ら申告します。

更に経験の豊富さを伝えるために具体的な分野や年数をいれるといいでしょう。

特に外資系企業での採用と人材開発の仕事は25年間の経験があります。
Especially, I have experience in the areas of recruiting and people development at multi-national companies for 25 years.

まとめ

いかがでしたでしょうか?

✅ プロジェクトメンバーに対してはプライベートな情報も入れて心の距離を縮めることでメンバーとして受け入れてもらう
✅ 顧客先に対しては話を聞いてもらえるだけの好奇心を引き出し、信頼関係を築く

社内でも、顧客先でも自己紹介は今後のおたがいの関係の土台を作りますのでとても大切ですね。

【関連動画】ビジネス英語の自己紹介は「自分を買ってもらう」ために専門分野・経歴プラスプライベート情報も入れる
『ウケない!訳しただけの自己紹介』↓↓↓↓↓

この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
HR Specialist
河野 木綿子(こうの ゆうこ)

ロンドン大学 Goldsmiths College 2000年
心理学部 大学院卒業

テストの高得点者が話せるようになるお手伝いをしています。
25年間大手外資系企業の人事部に勤め、人材開発の専門家となる。その経験とロンドン大学大学院で学んだ学習理論と効果測定を活かし、日本で第1号となる仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業。
著名人含む約90名を、仕事の英語デビューに導いてきた実績を持つ。

【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.5 ※旧英連邦の英語4スキルテスト
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格

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