発音より文法と単語の基礎固めから始める方がいいですよね?

よく聞かれるご質問です。発音も初期から練習されたほうがいいですよ。

初めから発音も練習したほうがいい理由

発音を後回しにすると、話す・聞くの練習をするレベルになった時、単語ひとつひとつから発音を練習しなおすことになり厖大な時間を無駄にしてしまうからです。
よく「発話できない音は聞き取れない」ということを言う方がいらっしゃいます。例外のような人も稀にいますが、多くの方に当てはまります。

例えばロシア語の例を挙げます。ロシア語の「ありがとう」を表すスパシーバ。それから「素晴らしい」はハラショー。習ったことはありませんが、いつの間にかカタカナで知っていましたし、真似もしていました。ロシア語で政治家などが会見でスパシーバやハラショーを言うと、私にはそこだけ聞こえます。それはその単語が言葉だとわかっているからですね。知っているし、音も知っています。だから聞き取れるのです。そのかわりそれ以外の発音はまったく何を言っているのか分からず、雑音のように(失礼!)聞こえます。

一方、最初から発音も練習すると、初級レベルの英語が発話できるようになると、そのレベルの英語で聞き手に「伝わる」英語が話せます。
英語で自分が発音できる単語が多いほど、さらに発音がネイティブスピーカーに近づけば近づくほど、聞き取れる割合が増えます。発音の練習は単に自分の発音向上のためだけではなくて、近頃ではリスニング力の強化のためにも重要視されるようになりました。それはなぜかというと、聞き取れる音と、自分が知っているその単語の音が一致するのですぐに同じものとしてとらえられるからです。

自分が知っている音が、聞き取れた音と違えば同じものだとわかりません。
昔、エレベーターの中で当時自分が勤めていた会社のアメリカ人社長とごいっしょしたときに、彼は「アイサキーの試合を見に行く」と言っていたのが後でわかりましたが、私は彼がアイスホッケーのスティックを振るジェスチャーをするまで、アイサキーがIce hockeyだとは気づきませんでした。音がまったく違うからです。

もし発音を後回しにして、意味がわかる単語の数だけ増やしても、あとでそれを使って話す・聞く段階になったときに、困ったことになります。発話できない、聞き取れない。
そこから発音練習を始めると、それまでせっかく苦労して覚えた単語の音を再度初めから練習することになります。これでは時間がもったいないです。

どんな手順で発音の練習を始めたらいいですか?

ステップ1
まず日本語になくて、英語では使う頻度の高い母音から練習するといいでしょう。
言葉の音には母音と子音があります。
日本語の母音はアイウエオの5つですが、一方英語は伸ばさない母音で15。長母音と言われる母音を伸ばしたものも合わせるとそれ以上です。

ステップ2
単独の母音を習得してから、単語単位の練習をします。
この時、英単語にはあるのに、日本語の単語にはあまりはっきりないストレス(強調)があることも繰り返し発話して体で覚えます。

その際、文章の意味を左右する、いわゆる「内容語」は殆どの場合アクセントのある母音の後で音を下げることも練習します。
内容語とは名詞、動詞、それを修飾する形容詞、副詞などです。さらに第一アクセント以外の母音はあいまい母音になることが多いこともわかります。いわゆるschwa(あいまい母音)というものです。

ステップ3
単語レベルの発音のアクセント、下降調の仕組みが分かったら、次は2つ以上の単語がつながった時に音が連結したり、変化したり、弱く成ったり、消えたりすることも法則性があります。
こちらでは皆さんに分かるように全て記載することは難しいので、参考図書を挙げておきます。

可能な限り、専門家の元で発音練習をしてフィードバックを受けながら練習されることをお勧めします。自己流の音、リズム、トーンが身についてしまうと、あとから矯正することが難しい阿合があります。

私どもの講座では受講者の方にあったものを以下のテキストから選んで使うと共に、オリジナル教材もレッスンの初期から使っています。
また受講期間全体を通して随時、発音練習をしています。


『英語の発音 発音直前6時間の技術』小川直樹 2014 アルク

改訂3版 『英語耳』松澤喜好 2021 (第3版)KADOKAWA

お勧めテキスト

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ムリな売り込みは致しませんのでご安心ください。