この記事は「AIが進化したら英語学習は要らなくなる」と英語学習の手を抜こうとしている人に「いやいやそんなことないですよ!」と、待ったを掛けようとするものです。その理由もお読みください。

せっかくの要人パーティで会話に入れなかった
先週、会社経営者の方から直接聞いた話です。
あるヨーロッパ外資系自動車メーカーの日本支社トップの方のディナーに呼ばれたそうです。お呼ばれはもう5度目だそうで、かなり親しくなっている。
でも、今回は自分以外のお客様全員が、たまたまバイリンガルの方ばかり。美味しい料理とワインを楽しみながら皆で盛り上がったけれど、
自分だけその会話に全く入れず、打ちのめされたと、落ち込んでいらっしゃいました。
んんんん~。その方の英語はリスニングはOKなのです。でも発話がまだ苦手です。みんなの会話が少しわかって相づちは打てても、
自分から話題を提供できないもどかしさ。その悔しさは分かる気がします。私もアメリカの証券会社に入ったばかりのころと、
留学先のネイティブばかりの中に入った時、初めはそうでした。
TOEICはピークアウトしつつあるのか?
このところTOEICの人気が一時期ほどでなくなってきたと大手のビジネス英語学校を経営している方から聞きました。
また、別の機会に、英語教材専門出版社が主催するTOEIC講座が開講以来はじめての定員割れになったと関係者から聞きました。
SNS上でも、YouTubeやベストセラーで有名な英語講師の方々が生徒さんの募集の発信をしています。今までその方たちは生徒さんが
空席待ちで、特に募集しなくても定員が集まっていたはずです。
でもこの春は「あと何人募集」の投稿が続いています。
2025年のGMOのリサーチでは日本人の30%がオープンAIを業務に取り入れていて、その用途は以下の通りです。
文章作成・翻訳 51.5%
レポート・資料作成 43.2%
アイデア出し 35.3%
情報収集 25.5%
(複数回答のため重複あり)
このデータを見る限り、ここからは私個人の推測ですが、だれでも使えるAIの進化が目覚ましいので「これで英語をやらなくて済む」と
期待している人が多いのではないでしょうか?
AIが発達したことで、間違いがないかチェックできるだけの英語力が必要
もしAIの発達で「これで英語をやらなくて済む」と期待している人が居るとしたら、いやいや、それは大きな誤解です。
もちろん、AIに日本語で指示を出して英文メールを作ってもらうことは可能です。でも、出来上がった英文メールが
自分の期待通りかどうか、間違いがないか、チェックが必要です。仕事の場面ならなおさらのこと。
だからチェックするための英語力が必要です。
相手との関係(上下とか親しいか?)、それによるフォーマリティが正しいか確認も必要です。代わりに作業はしてもらえても
仕上がりを確認せずに送信するのはあまりにも危険。
私自身、つい最近こんな経験をしました。
YouTube動画のためにイギリス英語とアメリカ英語の比較をする記事を書く途中、ChatGPTに調べものを依頼しました。
その回答の中に
「ヴァージングループの創始者、リチャード・ブロンソンはアメリカ人なので、イギリス人の言った英語をアメリカ的な意味で
受け止めてしまった」という英文記事がありました。
「え?チャールズ・ブロンソンは、イギリス人でしょう?」
と思わず突っ込みましたが、AIはミスをします。もし私が回答をしっかりチェックしなければ「これでよし」とそのままどこかに
掲載したかもしれません。
2週間前にアメリカから帰国中の元上司から聞いた話はこうです。
「イヤポッド式の翻訳機ができて、お互い耳に入れて話をすると、ほぼリアルタイムで相手の話が自分の言語に
翻訳されようになりつつある。ワイフと試してびっくりした」
恐ろしいほどの進化です。意思疎通のための英語には翻訳も通訳も、まもなく要らなくなりますね。
ただし、人工音声つきの翻訳アプリができても、自分の声じゃなくていいのでしょうか?つまりプレゼンテーションで有名な『TED』を
自分の母国語で聞けるけれど、それは人工音声。情熱や苦悩は話して伝わるのか?
IAの進化が加速して直面しそうな課題
・AIが正しく仕事をしてくれたか確認できるか?
・社交の場で、プレゼンの場で自分の代わりにAIに話してもらうのか?(自分の声で話さなくていいのか?)
プレゼンスライドに同時通訳表示はありかもしれませんがやっぱり、あなたの声であなたらしい交流やプレゼンでないと
相手の心は動かせないような気がしています。
カリスマ英語講師の安河内哲也先生が中国出張にポケ〇〇〇というポケットサイズの翻訳機を持って行かれたとき、
帰国後「仕事はできても友達にはなれない」とおっしゃったというエピソードは英語講師仲間では有名ですが、
AIに頼り切るのは人と人との交流には疑問が残る。ということを示唆していると感じます。
この記事を書いた人

仕事の英語パーソナルトレーナー
河野 木綿子(こうの ゆうこ)
上智大学新聞学科 1983年卒業
ロンドン大学 Goldsmiths College
心理学部 大学院 2000年卒業
東京都青梅市出身
日本第1号の仕事の英語パーソナルトレーナーを2014年に開業。
英語ができるだけでは足りない、海外との業務で圧倒的な結果の差を生む
「マナーや振る舞い」まで学べるレッスンが評判です。
【保有資格】
・ケンブリッジ英検
・IELTS 7.0 (1998)
・英国心理学協会の能力・適性テストの実施資格※
※企業で面接、適性検査、能力検査を実施する資格
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