英語を「話す」「聞く」には腹式呼吸の音読練習が効く

この記事は正しい音読練習で英語のスピーキングとリスニングを伸ばしたいと思っている方のためのものです。

Microphone 英文は一文ひと呼吸

音読をするときのルール

英語には音読が効く!
ということで、ほとんどのクライアントさんにやっていただいています。(何で音読が効くのか。はまた別の機会に書きます)

そしたら先週、オンラインで週2回参加の方からこんなお悩みが。
「一文の意味を固まりで頭にイメージを焼き付けながら声を出していると、最後まで息が続きません」

音読をするときのルールは

① オリジナル音源を聞いてスクリプトに強弱や音のつながりを表す印をつける(自己流でよい)

② 一文を一息で読むこと

③ 下降調で読むこと トーンは基本しりあがりでなく、しり下がり

④ 1日に何回、ではなく「すらすらとつかえずに言えるようになるまで」練習する

でした。

そして法人で対面レッスンのクライアントさんからも、音読の宿題を出したときに

「私、声が小さいし、息が続かなそう」という、あまり気乗りのしないコメントが。

共通するのは

「英語は文章が長くなると息が続きません」

というものです。

英語はお腹で息の量をコントロール

実は英語と日本語では発話するときの息のコントロールの仕方が違います。

英語は腹式呼吸で話すということを聞いたことがある人も多いことでしょう。

腹式呼吸とは英語の発話の場合、吐き出す息の量を腹筋でコントロールする発声のしかたを言います。
同時に息の出口のノドは、力を抜いて解放します。
気持のよい温泉に浸かった瞬間に思わず口から洩れる「ああああああ~」というあのときの声です。

腹式呼吸で話す声はよく通ります。
「英語で話すときは1トーン下げて話す」とごく簡単に書いてある本もあります。
電車のなかで英語で話す人がいるとすぐわかりますよね。声がよく通るのと、話し方にリズムがあって、全て聞こえなくてもアクセントのあるところが聞こえる。

また、海外の女性政府高官の演説を思い出してみてください。ヒラリー・クリントンさんや、元UKの首相、テレッサ・メイさん。
腹式呼吸の良く響く低い声で、はっきり聞き取れます。

更に単語や文章の文末の音が下がる「下降調」。あくまでも低い声を保ちます。
しり上がり↗に話す英語は学生言葉調なのでビジネスパーソンにはお勧めしません。

日本語はノドで言葉を一語一語区切る

一方で日本語だと声を出すときにノドで息の量や声をコントロールしています。

これを胸式呼吸といいます。ちょうどメイドカフェのメイドさんや、アイドルさんたちのような声の出し方です。
頭のてっぺんから出るような声で話します。呼吸が浅いので小刻みに息継ぎができます。

だから一文が長くなっても苦しくない。
でもこれだと、「日本人の女性は一生12歳」と、あるアメリカのコメディアンが日本人女性の声の出し方をジョークのネタにしているように、幼く、信頼されにくい声になってしまいます。ビジネスパーソンは避けたいですね。

英語ニュースの人はどうして声が続くのか?

女性だけでなく、男性も含めてBBCやCNNの英語版ニュースを聞いているとニュースの読み手はかなりの長文でも一文を一息で読み切っています。

なぜそんなことができるのかと言うと、1つには腹式呼吸で吐き出す息の量を文章の長さに合わせて調整していること。
そのためには読んでいる文章があとどれぐらい続くのか視線を何語か先に走らせて、一文の最後まで息が続くように腹筋で吐き出す息の量を調整しています。

音読の練習をするときは今読んでいる単語だけに集中するのではなく2~3語先の単語まで確認しながら読むと吐き出す息の量の調整だけでなく、単語同士の音の連結がうまくいきます。

先ほどご紹介した二人のクライアントさんのお悩みがその後どうなったかというと腹式呼吸に変えてみて、あっという間に解決しました。

特に二人目の方(女性・20代)は「やってみたら楽に声が最後まで続きました♫」と嬉しそうにやってみせてくれました。

余談: 人気のJ-Popの歌詞は一文が長くなっている?

ところで余談になりますがJ-Popで人気のあるあいみょん米津玄師の歌を聞いていて気づいたことがあります。
一文が長いのです。

長いのに微妙な音の高低の変化に紛れて歌詞が延々続きます。そしてこのお二人とも喉の緊張感をさせない腹式呼吸でのびやかに唄っている。多分、カラオケボックスでお酒を飲み過ぎて酔っぱらったら、意識して腹式呼吸にしないと息が続かないんじゃないかしら?

著作権の関係でここに歌詞を掲載することはしませんが一文の長さが英語のニュースの文章に匹敵するぐらい長くなっています。
この2人の歌を聴く機会があったらぜひ気をつけてみてください。

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