うちに女の子のセキセイインコが来たワケ

この記事は私が4年半前にお迎えしたインコのももこさんのことを発端に、80年代の女子大生の就職活動や結婚いまつわる出来事を振返る記事です。
いまでこそ男女雇用機会均等法が浸透したり、ダイバーシティ&インクルージョンという考え方が広まりましたが、高度経済成長期はそうではありませんでした。

私も初めは男の子のインコが欲しいと思っていたのですが、それでは私が就活をしたころの企業の女性に対する姿勢と同じだと
気が付いて、女の子をお迎えしました。

女の子がやってきた

2018年3月31日のことです。
私は東京の国分寺にあるピッコリアニマーリさんというバードショップを訪ねました。
以前から鳥さん好きの間で評判のよいお店です。

お店に着くなりすぐに「青いセキセイインコ、男の子を予約します」と前のめりにお願いしました。
顔なじみでもなんでもないオバサンが突然入ってきて、具体的なお願いしたのでお店の人も戸惑われたかもしれません。

その年は春先の寒さの影響で雛さんが品薄でした。
「入店するのは多分ゴールデンウィーク明けくらいですね」と言われてお店を後にしました。

それからひと月ちょっと経ってからのことです。お店から
「スカイブルーオパーリン(色と模様)なんですが、女の子なんですよ。どうしますか?」
と連絡がありました。

2年くらい前からお迎えするなら男の子、と決めていたのですぐには返事ができず。。。
「一晩、考えさせてください」とお願いしてしまいました。私は即断即決型なので、じっくり考え込むって実は私らしくありません。

男の子を頼んだのは女の子への思い込み

男の子が欲しかったのは2つの理由がありました。

まず一つ目は男の子のほうが人間の言葉を覚えておしゃべりする確率が高いということ。
自分が教えた言葉や文章をしゃべってくれたら楽しそうですよね。

そしてもう一つの理由は卵詰まりが心配だったのです。
今でこそ、すぐに気づいて鳥さん専門の病院に駆け込めば助かることもあります。

でも今から何十年も前に自分が子供のころ飼っていたインコさんのうち、女の子を3羽くらい卵詰まりで
亡くしていました。
亡くなる前に籠の底にうずくまって羽を逆立てていた姿が目に焼き付いています。かわいそうだけど何もできなかった。
病院もないし、小学生の私にはお金もないし。電気アンカをいれて温めてあげるだけ。2日以内くらいで亡くなりました。

そう、卵のことがあるから女の子は避けたかったのです。
と思い出したところで、自分が若いころのことをいろいろ思い出しました。

企業での女性に対する決めつけと同じ?

大学生の時の就活の面接で聞かれたこと。
  結婚したら仕事はどうしますか?
  妊娠したら?出産したら?

そして実際に入社して2年目に結婚したところ、すべての業務を外されて金庫番(部署の小口現金を預かるかかり)
になりました。もちろん自分で望んだのではなくて。

その理由を上司にたずねた時の上司のコメント。
  「女性は結婚したら妊娠するかもしれない。旦那が転勤したら、お前ついて行くだろ?
  だから大事な仕事は担当させられないよ」

すべて「もしかしたら」の話なのに女性イコール、結婚・妊娠・だんなの転勤という決めつけ。
女性に生まれたばかりにそんな理不尽な。。。
  「30代に入るまで子供はつくりません。それまでに1人前になります」

と食い下がったのですが全く取り合ってもらえませんでした。

自分はインコの女の子に同じことをしている!

そのことを思い出した瞬間「私はインコの女の子に上司が私にしたのと同じことをしようとしている」と気づきました。

卵詰まりにならない工夫をすればいいじゃないの。ということです。
  体重コントロール  
  昼間の時間を短くして、生活時間を管理すること

に注意すれば卵詰まりのリスクは下がるはずです。

翌日私はピッコリアニマーリさんに連絡して「私がお迎えします。すぐには行けないのでその間、
その子を『ももこ』と呼んであげてもらえますか?」とお願いしました。
名前は男の子のために『桃次郎』しか考えていなかったんですけれど、苦肉の策で「ももこさん」(笑

10日後にお迎えに行ったときにお店の方から「この子は自分の名前が『ももこ』だってわかってますよ。
自分の頭で考えてから慎重に行動する賢い子です。運動神経もいいし」
とべた褒めの言葉をいただきました。

あとで分かりましたが本当にそうでした。女の子に対しての自分の決めつけに気づいたこともあり
家にお迎えしてからも常に「ももこはどんな子?」と個性を大切にして好きなようにさせました。

ももこさん、2か月間の引き籠り

ところが、マイペースで籠から全く出てこない。毎日じっと籠の中から家の中を観察して過ごしている。
インコ類は感受性が豊かだと聞いていたので、このまま独りぼっちでは鬱になってしまうかも。
とても心配しました。

トイレットペーパーの芯を幅7ミリくらいに切って鎖のようにつなげて籠の中につるしたり。おもちゃを買ってきてつるしたり。
でも遊んでくれないのです。

ツイッターの鳥好きさんたちの投稿を見ると、みな飼主さんにべったりで仲良し。
あたまをカキカキしてもらっているのに。私の心には焦りが募るばかりでした。

左肩に感じたももこの命の重み

2か月も経って、ももこは手乗りにはならないかな? とあきらめ始めていたある日のこと。

いつもどおり籠の入り口を開けて、周りを掃除していたら。
ポン。と左肩に重みを感じたのです。

なにごと?と思って肩をみるとなんと、ももこが乗っている。
わ~、やっと私に心を開いてくれた。とその時の嬉しさって言葉にできません。

その日は部屋のどこに行ったらいいのかわからないらしくキッチンの洗いカゴにつかまったまま固まっていました。
これはその時の写真です。体がしゅっとして緊張感が表れていますね。

やっとのことで洗いカゴに着地

それからのももこは、人間の言葉こそ話しませんが、インコ語をゴニョゴニョ話し続けますし、
毎日、籠の外を八の字型を描きながら上手に飛び回ったり、床の上に降りてペットボトルのキャップやおもちゃで遊んでいます。

近頃はいわゆる「ニギコロ」といって飼主の手のひらに仰向けに握られてリラックスという究極のべたべた状態を好むようになりました。私がソファの上にゴロンと横になるとすかさず飛んできて鼻をぺロペロ、口をこじ開けようとします。
夜は同じ寝室で眠り、朝ごはんは毎朝同じタイミングで一緒に食べています。

ご飯の後は私の右肩に乗って私が果物を食べるのに付き合い(好物はリンゴ)、テーブルに広げて読んでいる新聞で
遊ぶのがルーティンになりました。
私の仕事が朝早い日の放鳥は、午後までお預けです。

ももこさん、女の子だからとお断りしないで、うちにお迎えしてよかった。