これは「自動翻訳機が進化すれば英語が話せなくても大丈夫になる」と思っている方に読んでいただきたい記事です。

AIの自動翻訳は英語講師の仕事を奪う⁇
私の仕事へのお申込みも減るかもしれません(汗
英語なんてやる意味ないでしょう?という風潮になるからです。
でも、果たして本当にそうなのか?。。。
実はNO だと思っています。
人間は感情をゆすられて動く
じっくり考えてみていただきたいことがあります。
私たちが仕事をするうえで大事なお客様との取引や高額なお金のやり取りの際にこちらの主張の意味だけ正確に伝われば相手がこちらの思うような決断をしたり行動をとってくれるでしょうか?
30年間、企業で仕事をしてきましたが
自分の会社の役員会でのプレゼンや交渉
お取引先への報告
いずれも聞き手が
「おお、なるほど」「いいね、それ!」
と納得して興味を持ってくれなければ、こちらからの提案の採用や導入にはつながりません。
こちらの人柄、時として人間臭さ
その人らしさが思わずにじみ出た言い回し
聞き手を思いやる気持ち
提案への情熱が
相手に直に伝わり感情が動く
こういったことが引き金となって行動を起こします。
TEDの「心をつかむプレゼンテーション」
You TubeでTEDの動画を見たことがある方ならここまで読んで思い当たるかもしれません。
観衆の心をつかむ名プレゼンテーションは必ずしも論理的なわけではなく
子供のころからの夢や
それを支えてくれたじいちゃん、
ばあちゃんとの思い出話だったりします。
植松務 社長のロケット作りの話。
私は新卒のころから約25年間、企業の中で人事の仕事をしました。人事というお客様と直接の接点が少ない仕事であってもM&A(企業の吸収合併)のために組合との団体交渉の場に臨んだり役員会の承認を取り付けるといった細やかな気配りが必要な場面はたくさんありました。
そういったやり取りを思い出すにつけ、これからまだまだ自動翻訳機の開発が進んでもお互い大切な一発勝負を決めようと思っている場面で英語が話せないからといって自動翻訳機の端末を相手の鼻先に突き出して
これを見てください
Look at this.
というのでしょうか?
それとも出席者全員が見えるスクリーンに、今、話した日本語が英語に翻訳されて映し出される???
それともイヤホンから翻訳された人工音声が聞こえるのでしょうか?
(これが一番便利そうですね)
おそらく今よりもさらに技術が進歩していてそれも可能かもしれません。
結論から話して
そのあとで理由を整理して説明して
納得性の高い発言にしてくれる機能まで
出来そうな気がします。
それでも生身の人間の、人間性がつたわってくる
その人らしい言い回し。思いがあふれた表情。から伝わってくる情熱にはかないません。
先日、企業での個人レッスンの時に帰国子女のクライアントさんに
音読をしてもらいました。
一度目は自分の好きなように。
二度目は
「女優になったつもりで、感情を込めて!」とお願いしたところ
二度目の音読は書いてあることが目の前に浮かび上がってくるようでした。
自動翻訳機の高度なものができたら便利だけれどやっぱり自分で話せる。
時には感情をこめておなかの底から話すことで相手の心を動かせるほうが実りの多い人生になると思います。
ところで、これと関連した話を先週聞きました。
日本で一番有名な人気英語講師と言われるY 氏が最近仕事で中国に行ったときに中国語の自動翻訳機を使ったそうです。
結果は「用は足りたけど、友達にはなれないなあ」だったそうです。ロジックが大切な仕事でさえ感情が伝わることが必要です。
親しくなってよい人間関係(仕事の基本)を築きたいならなおさらですね。